週末の学び
(2004.8.20)
オリンピックの 経済効果メダルラッシュのアテネ五輪! 感動の連続です 今回はオリンピックと経済効果を学ぼう オリンピックは 84年のロスアンゼルスオリンピックから商業主義へと転換したと言われている ロスの利益は2.5億ドルにのぼり これ以後オリンピックは開催国の交通、建築、メディア、観光業に大きな発展をもたらし 経済の急速な発展を促すようになった オリンピックの経済効果は多大なものである 例えば 選手、報道関係者、観光客など多くの人間がその地を訪れ 飲食、宿泊、観光、建築など関連産業に発展をもたらす 例えば2000年のシドニーオリンピックでは 開催中の16日間に国内外より100数万の観光客がシドニーを訪れ 97年からの4年間の観光収入は42.7億ドルにものぼった 別の角度からオリンピックをみてみよう!
オリンピックは儲かる?ロサンゼルスが転換点 1976年にカナダで開催された モントリオール五輪は大幅な赤字に苦しみ 市の税金で穴埋めをしなくてはならなくなった これをきっかけに 財政負担を懸念した各都市はオリンピック開催に後ろ向きとなり 1984年第23回大会の候補地に立候補したのは なんと、ロサンゼルスだけであった しかも ロサンゼルス市は 一切財政支援はしないとの条件をつけた こうなると オリンピック組織委員会は 自分達で資金を調達しなくてはならない そこで 大胆な商業主義を取り入れ テレビ放映権をなるべく高く売れるようにしたり 企業にスポンサーになってもらい資金を拠出してもらったり 五輪グッズで稼いだり と努力をかさねた その結果 オリンピックは よりテレビ栄えのする華やかな「スポーツショー」という性格へと変化していった 当初懸念されたお金の方も 終わってみれば2億1500万ドルの黒字となった これ以降 オリンピックは「財政的お荷物」から 「儲かる」イベントと認識されるようになり 立候補する都市が増加します その後の ソウル バルセロナ アトランタ シドニーと商業路線は拡大し オリンピックの財政基盤は強固なものとなっていった その商業路線を進めてきたのが サマランチ元国際オリンピック委員会会長だ スペインの実業家であるサマランチ氏は 財政的に危機的状態にあったオリンピックを 大胆な商業主義の導入によって救ったといえる しかし 商業化の過程でプロの参加を容認し オリンピックの理念であるアマチュア精神に反するのではないか との指摘もあります また 多額の金銭が動くようになり オリンピック招致スキャンダルに代表されるように オリンピック委員会の金権体質も批判されています
冬季五輪は 儲からない?夏季オリンピックに比べ 冬季オリンピックはあまり儲からないといわれている 事実 1998年の長野オリンピックでは当初赤字が見込まれ 赤字の場合には 長野県と長野市で折半する約束になっていた ところが 長野五輪は 大会運営費約1093億円に対し 最終的に45億円の黒字と嬉しい誤算となった
ここまで 「黒字」とか「赤字」といってきましたが これは 大会運営費に対して収入が多いか少ないかを比較している だから オリンピックのときに造ったスタジアムや道路の費用までもが回収されるわけではない たとえば 長野オリンピックでは 大会運営費は1093億円ですが 施設整備費1300億円 道路2000億円 新幹線4500億円など 合計1兆5000億円程度の資金を投入した 赤字、黒字と騒いでも 大会運営費の1093億円を回収できるかどうかというだけなのだ 本当に儲かったかどうかを考える際には 巨額の資金で造られたスタジアムや 道路などがその後も有効に利用されるかどうかを充分に検討しなくてはならない
オリンピックの翌年は景気が悪くなるというジンクスがある オリンピックには それ自体の儲け以外にも 景気をよくする効果があるといわれる これは オリンピックのために施設建設などを行なえば 建設需要が出るし 観光客が来れば観光客の消費需要が生まれる そのように需要が増えれば 開催地の景気にはプラスに働く 2008年の北京五輪は 中国の経済成長率を毎年0.3〜0.4%増やすと中国政府は予測している しかし 仮に大阪で開催したとしても それほどの効果は上がらなかったと考えられる なぜなら 現在の日本の経済規模は非常に大きいので 日本経済全体からすればオリンピックの需要はわずかなものだからだ そして オリンピックが終われば オリンピックの需要はなくなるので 企業の注文は減り 景気は悪化の方向に作用する 「オリンピックの翌年は景気が悪くなるというジンクス」は経済的に根拠のあることのようだ 事実 東京オリンピックの後 日本は「40年不況」という不況に陥ってしまった ソウル五輪後の韓国 バルセロナ五輪後のスペインもオリンピック後 景気が悪くなってしまった オーストラリアも同様に 前回のシドニー五輪までは 年4%ペースの経済成長であったが 2000年後半 つまり オリンピック終了を境に 経済成長率は1〜2%へ低下した しかし 例外もあり 1996年アトランタ五輪後のアメリカは景気が悪くならなかった これは アメリカは経済規模が大きいので オリンピックの影響はそれほど効いてこないことと 当時のアメリカには オリンピックとは別に「IT革命」という力強い景気のけん引役が存在したことによるものと考えられている 以上のように見ていくと オリンピックというのは 巨大な公共工事であるという面が見えてくる それゆえ 先々のことをよく考えて行わないと 宴の後には不況になり 不要になった巨大施設や必要以上に立派な道路 そして 財政赤字が残ることにもなりかねないのだ